大手監査法人を退職しました

仕事

11年勤めた監査法人を退職しました

2019年12月をもって、大手監査法人を退職しました。大きな節目なので色々と経緯をまとめておこうと思います。現在監査法人に勤務されている方の参考にもなれば幸いです。

監査法人でのキャリア

 会計士試験に合格して大手監査法人の学生非常勤として採用されたのが2008年12月のこと。それから11年間、異動も出向もなく監査事業部で勤め続けてきました。
 始めに入ったチームは今思うと信じられないくらいのんびりとして、監査品質的にも危ういチームでした。しかし数年後にそのチームのマネージャーが早期退職のターゲットとなって法人を去ってからは、次々に新しい上司と仕事をすることとなり、それまでのぬるま湯とのギャップに苦しむことに。今になって振り返るとこの時期がまともな会計士になるための大きなターニングポイントだったように思います。
 その次に転機となったのはシニア1年目。その時に関与していた一部上場の監査チームから先輩数名が出向や転職などで一気に抜けてしまい、繰り上がりで突然主査を務めることになりました。正直なところ、自分が上場企業の主査を任されるのはまだ先の話で、その前には転職してしまおうかと思っていましたので、まさに青天の霹靂といった感じでした。しかし任されてしまったからには数年はやらなければと思い、なんとかかんとかやって来た結果、気づけば2017年にマネージャーに昇格。2つの上場企業とその子会社たちで主査を務め、幸か不幸かそれなりに忙しく働かせてもらいました。

退職理由

  退職理由の一番はやはり忙しすぎたことです。スタッフのうちは有給も好きな時期に好きなだけ使える、繁忙期以外は殆ど残業なしという環境でしたが、上場主査になり、マネージャーになり、と年次が上がるにつれて、休みたくても休めず、残業時間もどんどん増えていきました。この職業は仕事量が経験値やクオリティに直結しやすいので専門性を磨く上では有意義であったとは思っていますが、もともとハードワークに耐える力が低く、数年に一回はメンタル的に不安定になることがありました。そのためこのまま監査法人で続けていくよりも、これを機に監査以外の仕事にチャレンジしつつ、ワークライフバランスを整えようという判断に至りました。

 監査を極めることはできなくとも一通りの経験はできたという手応えと、監査法人の外に出てもそれなりにやっていけるであろうという自信が出てきたこと、32歳という年齢、転職市場の状況、結婚後約3年が経ってそろそろ子供のことを考えていることなど、色々な状況がすべて、このタイミングでの転職を後押ししました。

正直、監査ってどうだった?

 監査業務についてはつまらないとかやりがいがどうとか色々言わることが多いですが、私は面白い仕事だったと感じています。
 まず第一に、 企業のありとあらゆる情報にアクセスできて財務数値と照らし合わせながら読みといていくのはとても好奇心を刺激される楽しい環境でした。しかしこうした面白さは、部分的な作業しか担当しないスタッフ時代はあまり感じられませんでした。監査という仕事はのやりがいや面白さは、主査やマネージャーとして責任を持って広範な業務をするようになって初めてわかるようになるものだというのが私の実感です。自分が実施している監査手続の意義や重要性も、監査理論に習熟して品質管理上の要点を理解していないとピンと来ないものです。もしシニア一年目で上場主査になる機会がなくそのまま退職してしまっていたら、私も監査はつまらないと思ったまま終わっていただろうと思います。

もっとも、最近の監査品質のさじ加減については色々と思うところがありました。網羅性や整合性の検証に要求される緻密さが高まる中で生産性の低い作業き時間をとられ、会計基準の適用についての知識やスキルを磨く時間が減っているのではないかとか、細かな虚偽表示まで漏れなく検出しようとして監査意見の表明には本来不必要な監査手続まで行われているのではないかとか、改善すべきと感じるポイントはいくつもあります。しかしだからといって監査が本質的につまらないだとか意味がないとは一切思いません。退職した今でも監査法人を応援する気持ちは強く持っていますし、いつか監査の世界に戻ることもあり得ると考えています。

今後のキャリア

 2020年からは中小の会計コンサルで、主に上場企業の決算支援などの業務に携わる予定です。監査法人ではないので監査業務からは離れることになります。担当しうる業務の種類は色々ありますが、監査法人時代と同様に目の前に転がってきた仕事を自分なりに頑張れればいいと思っています。

長期的なキャリア観について

 私は会計士になった当初より長期的なキャリア目標は持っておらず、ほどほどの働き方でほどほどの待遇を得られるように頑張る、というスタンスでした。それに照らすとここ数年は頑張りすぎてしまった気もしていますが、結果的にはそのおかげで実力と自信をつけることができました。良いポジションを取れるようにするには、やはり一時的にはハードワークをしてでもスキルを磨いて優位性を確保するというのは大事だと思います。

 会計士の履歴書なんかに出る人のような立派なキャリア観ではありませんが、本音ではこう思ってる会計士って多いんじゃないでしょうか。
ともかく、2020年は新しい職場で心機一転、無理しすぎずに頑張っていこうと思います。

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