残余利益モデルによる目標株価の見積り方 

米国株

私はインデックス投資と並行して米国個別株への投資もしています。個別株への投資に当たっては現在の株価が投資に値するかを見極めなければなりません。その方法は十人十色であり、そこに個別株投資の醍醐味があると言ってもいいでしょう。私は残余利益モデルと呼ばれる手法をベースに計算しています。

残余利益モデルによる株価計算

残余利益モデルによる株価の計算式は以下のように表されます。

目標株価=BPS+将来の残余利益の割引現在価値の総和

BPSとは一株当たり純資産です。
残余利益は聞きなれない言葉かと思いますが、株主の期待収益を上回った利益の額のことを言います。

残余利益=EPS-期首BPS×期待収益率

と表されます。あるいは

残余利益=期首BPS×(ROE -期待収益率)

と書くこともできます。

毎年の残余利益を見積り、それを期待収益率で現在価値まで割り引いたものを足し上げ、BPSに加算することで目標株価を計算することができます。具体的には以下に添付したようなエクセルで色々と条件をいじりながら、現在の株価と比較を行っています。

計算のためにエクセルに入力する必要があるのは以下の要素です。
・当期の予想PER
・前期末の実績BPS
・要求収益率
・20年後までのEPS成長率、BPS成長率
・21年目以降のEPS永久成長率

予想PER、実績BPSは証券会社のサイトにログインして個別銘柄の詳細画面などを見ればわかります。なお米国企業はNon-GAAP指標を開示している会社が多いですが、私は基本的にGAAPベースのEPS、BPSを使用します。
要求収益率は私の場合7%程度としています。理論的には銘柄ごとに変えるべきなのでしょうが、そこまでするのは難易度が高いし面倒なのでざっくりと扱っています。
20年目までは自分が適当と思う成長率を、なるべく保守的に入力します。といっても必ずしも20年間ずっと成長させる必要はありません。そのときは途中からの成長率を0%と入力すればよいです。なおEPS成長率はBPS成長率とROE成長率に分解することができますが、ROE成長率のほうが株価によりプラスに働きます。
21年目以降のターミナルバリューの計算式には永久成長率が加味されていますが、よほどのことがない限り私は0%としています。

残余利益モデルが示唆するもの

さきほど示した残余利益の計算式のうちふたつめの式は、ROEの重要性を示唆しています。この計算式からは以下のようなことが導けます。

ROEが上昇するほど残余利益が増え、株価にプラスに働く
ROEが株主の要求収益率より低いと、株価はBPSよりも小さくなる(PBR1倍を下回る)

株価を高めるためにROEを上げなければいけないとよく言われますが、その背景にはこうした計算モデルが存在するのです。

見積りの不確実性を肝に銘じる

ここまで私が使っている株価の計算モデルについて紹介してきましたが、計算の際に仮定する将来の成長率の見積りは極めて不確かです。また、成長率の仮定を操作することで自分に都合のいい計算結果を作り出すこともできてしまいます。目標株価の見積りを行う際には、そのあたりを常に頭の片隅に置いておきましょう。計算結果が現実の株価とあまりに乖離してしまった場合は、採用した仮定におかしなところがないか注意深く再検討する必要があります。

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